神社の拝礼には「再拝二拍手一拝」の作法があります。
再拝二拍手一拝は「二拝二拍手一拝」や「二礼二拍手一礼」のような呼び方もされますが、作法自体はすべて同じです。
神社に一度でもお参りされた方なら、ご存知の作法かと思います。
ですが、拝(礼)や拍手の正しい仕方、願い事の言い方など細かい作法については自信のない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では神社の拝礼の作法について、入見神社の一等無人航空機操縦士の神主がわかりやすく丁寧に解説していきます。
神社の拝礼の作法
神社の拝礼の作法です。
一、お賽銭箱の前で会釈
二、鈴を鳴らす(※鈴がなければ省略)
三、お賽銭を入れる
四、再拝
五、二拍手
六、感謝と願い事をお伝えする
七、一拝
迷うポイントは「お賽銭をいれるタイミング」と「鈴を鳴らすタイミング」です。
鈴は音色で参拝者を祓い清める意味があります。
また、お賽銭は神様に捧げていたお米の代わりです。
ですので鈴を鳴らしてご自身を祓い清めてから、お賽銭を入れた方を好ましいかと思います。
鈴のない神社でしたら「お賽銭を入れた後に再拝二拍手一拝」の流れです。
鈴の作法はこちらで解説しています。
礼(拝)の正しい仕方
つづいて礼(拝)の正しい仕方です。
・角度は九十度
・礼(拝)の状態で三秒間の止まる
これが正しい礼(拝)になります。
礼(拝)の角度を九十度にする際のポイントは二つです。
両手をひざ下くらいにつける
立った姿勢での礼(拝)では、両手をひざ下くらいにつけます。
その位置に両手を持ってくれば、自然と綺麗な九十度になるはずです。
「再拝」は九十度の礼(拝)を二度、「一拝」は九十度の礼(拝)を一度します。
背中を丸めない
背中は意識しないと丸まります。
首から背中を曲げるのではなく、腰から曲げるイメージにすると背中が丸まりにくいです。
あとは九十度になった状態で三秒停止するのを忘れないようにしましょう。
神社のお参りに良い日はこちらでお話してます。
拍手の正しい仕方
つづいて拍手の正しい仕方です。
一、胸の高さに両手を持ってくる
二、両手を綺麗に揃える
三、右手を一関節分くらい下にズラす
四、肩幅くらいに両手を開く
五、拍手する(一拍手目)
六、「四と五」の動作を繰り返す(二拍手目)
七、拍手した両手の状態(右手が下にズレた状態)から揃える※右手を戻して左手と揃える
八、両手をヒザの位置くらいに戻す
正しい拍手のポイントは二つです。
右手を一関節分くらい下にズラす
両手が揃った状態での拍手は綺麗な音が鳴りにくいです。
右手を一関節分くらい下にズラせば良い音が鳴るようになります。
ただ、慣れは必要なので練習するのがおすすめです。
参道の歩き方はこちらでお伝えしてます。
肩幅くらい両手を広げる
両手を広げる角度はあまりにも狭いと音が鳴りませんし、あまりにも広いと麗しくありません。
肩幅でも綺麗な音が鳴りますし、前から見ても後ろから見ても綺麗な動作に見えます。
二拍手が終わった後に両手をヒザに持ってくると一拝がしやすいです。
参拝の服装についてはこちらでお話してます。
願い事の言い方
つづいて願い事の言い方です。
一、住所と名前など自己紹介をする
二、日頃の感謝を伝える
三、願い事をする
それでは一つずつ詳しくお話します。
自己紹介する
住所や名前を伝えるのは「どこの誰なのか」を神様に正しく伝えるためです。
名前だけでは同姓同名がいたら判断できないので、住所と名前を先に神様に伝えてから日頃の感謝やお願いごとをします。
このような質問もよくいただきますが、神様にも名前がありますし神社という住所もあります。
私たちも神様の名前と神社の場所で「どこのどのような神様なのか」を認識できているので、まずは自己紹介をして神様に「どこの誰なのか」を伝えて認識してもらいましょう。
お賽銭の作法はこちらでお話しています。
日頃の感謝を伝える
つぎに日頃の感謝を伝えます。
まずは「いつも見守ってくれてありがとうございます」や「何事もなく平穏無事に生活できているのは神様のおかげです」など感謝の言葉を伝えましょう。
手水の作法はこちらで解説してます。
願い事をする
願い事は自分のことばかりではなく、周りのことまで考えた方が好ましいです。
「受験に合格して両親が安心できますように」「担当してる事業が成功して、お世話になっている上司に恩返しできますように」「大きな怪我や病気をすることなく、誰かが困っていたらすぐに助けられる自分でいられますように」など。
自分の願いごとが叶うことで周りも幸せになるような言い方がいいと思います。
その時々の自分で出来うる限りのことをしましょう!
願い事の言い方はこちらで詳しくお話してます。
すべての作法に想いを込めて
神社の拝礼の作法についてお伝えします。
礼(拝)には角度や静止する時間、拍手には両手の使い方、願い事には順番など、神社の拝礼を掘り下げれば細かい作法が多いです。
ぜひ、この機会に麗しい仕方で神社の拝礼をされてください。
ただ、いくら綺麗な拝礼の作法であっても、そこに感謝の想いがなければ、ただの動作です。
神様への感謝の想いを抱きながら一つ一つの作法をしましょう。
神社の行きと帰りの一連の参拝方法はこちらでお伝えしています。