「おもちゃのドローンでも免許は必要?」
このような疑問を持っている方に向けて一等無人航空機操縦士の入見神社の神主がわかりやすくお伝えします。
2022年12月5日から無人航空機の国家資格制度がスタートしました。
その影響なのかドローンを操作するには免許が必要という認識が生まれています。
結論からお伝えすると基本的におもちゃのドローンに免許は必要ないです。
しかし一部のおもちゃのドローンでは免許が必要だったり、飛ばす環境によっては許可や承認、通報が必要なケースがあります。
そこで本記事ではおもちゃのドローンに免許は必要なのか、そしておもちゃのドローンでも許可や承認が必要になるケースについてわかりやすく解説します。
おもちゃのドローンに「免許」は必要?
航空法では本体とバッテリーの重量を合わせて100g未満を「模型航空機」と分類しています。
そして一般的に「模型航空機=おもちゃのドローン」と呼んでいるのですが、このおもちゃのドローンに免許は必要ないです。(2023年11月時点)
そのような勘違いをしてしまうのは2022年12月5日から無人航空機(ドローン)の国家資格制度がスタートしたからだと思います。
この国家資格制度は別名「無人航空機操縦者技能証明」と呼び、主にドローンで物流業務をする場合に必要になります。
つまり、おもちゃのドローンを飛ばすくらいなら関係ないんです。
また、2023年11月時点では「無人航空機操縦者技能証明」以外にドローンの免許と呼べる資格などはありません。
ですので、おもちゃのドローンは免許がなくても飛ばせます。
免許がいるケース
一般的なおもちゃのドローンであれば、免許は必要ないです。
しかし、無線の免許が必要になるドローンがあります。
それは専用のゴーグルを着けて操作するドローンレース用の機種です。
使用する電波の周波数などにはよりますが、第四級アマチュア無線技士免許がないと飛ばせないドローンもあるので留意してください。
おもちゃのドローンに「許可・承認」は必要?
ドローンは飛ばす場所や方法によって、国土交通省への「許可・承認」が必要になるケースがあります。
これはおもちゃのドローンも例外ではありません。
おもちゃのドローンで下記のような場所や飛行方法をするなら国土交通省への「許可・通報」が必要です。
・空港の周辺
・250m以上の上空(150m以上のところもあり)
空港の周辺を飛行させる場合は他の航空機の飛行に影響を及ぼす恐れがある行為として、国土交通大臣の許可が必要ですし、許可申請をする前に空港事務所等との打合せをする必要もあります。
また、250m以上の上空を飛行させるなら、国土交通大臣の通報が必要です。
ほとんどの方はおもちゃのドローンでこのような飛行はしないと思います。
ですので、普通に飛ばすくらいであればおもちゃのドローンに「許可・承認」または「通報」は必要ないです。
100g以上のドローンの免許や資格についてはこちらで解説してます。
おもちゃのドローンを飛ばすときの注意点
おもちゃのドローンは免許も必要なければ、よっぽどでない限り「許可・承認」も要りません。
ただ、規制やルール、注意点がないわけではありません。
この4つにはおもちゃのドローンでも注意しましょう。
規制
おもちゃのドローンを飛ばすときの1つ目の注意点は規制です。
おもちゃのドローンを屋外で飛ばす時には、この3つの規制に注意します。
・小型無人機等飛行禁止法
・条例
・民法
小型無人機等飛行禁止法は、対象施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空でのドローンの飛行を禁止しています。
また、地方自治体が定める条例によっては公園などでのドローンの飛行を禁止しているので確認が必要です。
ちなみに土地の所有権は上空にも及びます。
たとえば観光地で撮影のためにおもちゃのドローンを飛ばすときに、その場所が私有地だった場合、土地の所有者から許可を得る必要があるので注意してください。
100g未満のおもちゃのドローンを屋外で飛ばすときの注意点はこちらで詳しく解説してます。
電波障害
つぎの注意点は電波障害です。
おもちゃのドローンでも操縦不能になったり、墜落したりします。
その原因のほとんどは電波干渉です。
ドローンの電波を障害しうるアンテナなどが周りにないのか事前に確認しましょう。
また、おもちゃのドローンとはいえ、人や物に当たれば傷をつけます。
それらのリスクを避けるためにプロペラガードを装着するのがおすすめです。
公園でおもちゃのドローンを飛ばしたい時にはご確認ください。
天候
3つ目の注意点は天候です。
おもちゃのドローンの飛行は、天候にも大きく左右されます。
雨が降っている、もしくは今にも降りそうな場合は飛行をやめましょう。
また、100g未満のおもちゃのドローンは風の影響を大きく受けます。
木の葉が揺れる程度の風(風速1.6m~)を感じた場合は、事故リスクを下げるためにも飛行を中止するのが無難です。
おもちゃのドローンを屋外で飛ばせる場所の見つけ方はこちらで詳しく解説してます。
機体の性能
最後4つ目のおもちゃのドローンを飛ばすときの注意点は機体の性能です。
飛行を安定化させる「ジャイロセンサー」や「障害物センサー」が付いてないおもちゃのドローンは多くあります。
そのため屋内でおもちゃのドローンを飛ばすときにも注意が必要です。
狭い部屋の中でおもちゃのドローンを飛ばす場合、壁や家具、照明器具などにぶつかって壊してしまったり、その影響でケガをしたりする場合もあります。
このような事故はちょっとした操作ミスでも起こるんです。
おもちゃのドローンを屋内で飛ばすときには、十分な広さがあって人がいない状態を確保するのをおすすめします。
ドローンを今から始める人におすすめの国家資格の取り方はこちらで解説しています。
おもちゃでも安心安全に飛ばそう!
おもちゃのドローンに「免許」や「許可・承認」は必要なのかについて解説しました。
おもちゃのドローンに「免許」は必要ないですし、よっぽどでない限り、おもちゃのドローンに国土交通省の「許可・承認」や「通報」も必要ありません。
・小型無人機等飛行禁止法
・条例
・民法
この3つだけに気をつければ、法を犯すこともないです。
ただし、おもちゃのドローンとはいえ人や物にぶつかれば傷をつけます。
屋外でも屋内でも安心安全におもちゃのドローンを飛ばしましょう!