ドローンを室”内”で飛ばすのか、それとも室”外”で飛ばすのかによって注意点は大きく変わります。
そして当然、ドローンを外で飛ばすときには注意点が多くなるんです。
そこで本記事ではドローンを使って外で簡単な撮影でもしようかなと思っている方に向けて、ドローンを外で飛ばすときの注意点を解説します。
飛行前、飛行直前、飛行中、飛行後の4つのタイミングにわけて入見神社の一等無人航空機操縦士の神主がお話するので、それぞれ忘れずにチェックしましょう!
飛行前|ドローンを外で飛ばす時の注意点
まずは「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点です。
・機体登録
・リモートID
・航空法の規制及び小型無人機等飛行禁止法
・離発着場所の土地の所有者の同意
・飛行計画の通報
・飛行マニュアルに基づく緊急連絡先の検索
・補助者との連絡手段の確認及び認識の共有(補助者をおく場合)
・GEO空域の規制(DJIの場合)
ドローンを外で飛ばす前に、まずは室内でこの8つを確認します。
機体登録
1つ目の「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は機体登録です。
機体登録は100g以上のドローンを飛行させる場合、必ず必要です。
DIPS2.0で機体登録をして、発行された登録記号を機体に貼ります。
リモートID
つぎの「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点はリモートIDです。
リモートIDは2022年6月19日までに機体の登録手続きをした無人航空機以外は機能を搭載する必要があります。
DJIの製品には内蔵されているものが多いので、アクティブにすれば完了です。
完全初心者のドローンスクールの選び方はこちらで解説してます。
航空法の規制及び小型無人機等飛行禁止法
3つ目の「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、航空法の規制及び小型無人機等飛行禁止法です。
航空法の規制は、許可を必要とする4つの空域と承認を必要とする6つの飛行方法があります。
特定飛行に該当する場合は、飛行マニュアルを作成し、DIPS2.0で許可承認を取ります。
また小型無人機等飛行禁止法の規制範囲も調べます。
もし規制範囲なら飛行場所を変更するか、管理者などの許可が必要です。
ドローンの免許や資格が必要なケースといらないケースはこちらで解説してます。
離発着場所の土地の所有者の同意
つづいての「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、離発着場所の土地の所有者の同意です。
たとえ航空法や小型無人機等飛行禁止法などの規制がないところでも、離発着場所の土地の所有者または管理者の同意はとります。
公共の公園などでも条例でドローンの飛行を規制していることがあるので注意してください。
ドローンを飛ばせる場所の探し方はこちらで紹介しています。
飛行計画の通報
5つ目の「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、飛行計画の通報です。
ドローンを飛行させる場合には、DIPS2.0で飛行計画の通報をします。
飛行計画の通報をせずに無人航空機を飛行させると30万円以下の罰金です。
飛行マニュアルに基づく緊急連絡先の検索
つぎの「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、飛行マニュアルに基づく緊急連絡先です。
飛行マニュアルには緊急連絡先をあらかじめ調べる必要があるとの記載があります。
警察署
消防署
総合病院
上記の管轄の連絡先を飛行前のタイミングで検索して、情報をまとめましょう。
補助者との連絡手段の確認及び認識の共有(補助者をおく場合)
7つ目の「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、補助者との連絡手段の確認及び認識の共有です。
特定飛行をする場合は、補助者の設置あるいは立入管理措置の設置の必要があります。
補助者をおく場合は、通信手段の準備をします。
スマートフォンとイヤホンでの電話でも問題ありませんが、電波状況が悪いところでは通話が途切れてしまう可能性もあります。
そのため無線機の用意をおすすめしています。
また、飛行前には補助者との認識の共有も大切です。
何を伝えてほしいか?
機体の進行方向や向きは何を基準にするのか?
これらを事前に確認しましょう。
GEO空域の規制(DJIの場合)
最後の「飛行前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、GEO空域の規制です。
DJIの機体を使う場合には、GEO空域と呼ばれるDJIの規制のある場所があります。
許可承認証を提示することで解除されるのであらかじめ確認し、飛行前には解除しましょう。
ドローンを今から始める人におすすめの国家資格の取り方はこちらで解説しています。
飛行直前|ドローンを外で飛ばす時の注意点
つづいて「飛行直前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点です。
・緊急用務空域と対象外国公館等の確認
・飛行前点検及び各種設定
この2つはドローンの飛行直前に確認します。
緊急用務空域と対象外国公館等の確認
1つ目の「飛行直前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は緊急用務空域と対象外国公館等です。
緊急用務空域
小型無人機等飛行禁止法の対象外国公館等
飛行する場所がこの2つに指定されていないかを確認します。
そのため当日も必ず確認しましょう。
飛行前点検及び各種設定
つぎの「飛行直前」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、飛行前点検と各種設定です。
飛行をする前には、まず飛行前点検をします。
つぎに各種設定です。
RTH(Return to Home)の高度
最高高度
障害物検知
これらの設定を飛行直前に必ずチェックしましょう。
おもちゃのドローンの免許についてはこちらで解説してます。
飛行中|ドローンを外で飛ばす時の注意点
つづいて「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点です。
・離着陸時の周囲状況
・機体の異常
・気象状況
・第三者の上空を飛ばさない
・バッテリー
・モニターを注視しない(目視外飛行の承認がない場合)
・ドローンの直下の対地高度(150m以上の飛行許可がない場合)
・フレネルゾーンの確保及びマルチパス対策
この8つの確認をします。
離着陸時の周囲状況
1つ目「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、離着陸時の周囲の状況です。
離着陸時は周囲の状況確認及び飛行する場所に異常がないか確認してから飛行させます。
機体の異常
つぎの「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、機体の異常です。
目視や機体ステータスインジケータで機体を確認します。
気象状況
3つ目の「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、気象状況です。
風の強さ
雲行き
雨の雰囲気
これらの気象状況の変化に気をつけます。
気象状況が悪くなった場合は、無人航空機の飛行を中止して着陸させましょう。
第三者の上空を飛ばさない
つづいての「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、第三者の上空です。
第三者の上空の飛行は基本的に禁止です。
補助者とコミュニケーションを取り、ドローンの飛行を中止するなどして第三者の上空を飛ばさないようにしましょう。
バッテリー
5つ目の「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、バッテリーです。
飛行中はドローンやプロポの映像に注視してしまい、バッテリーの残量の確認を怠りがちになります。
なぜならバッテリーが少なくなればドローンが戻ってこられず、墜落する可能性もあるからです。
逐一、バッテリーの残量を確認しましょう。
モニターを注視しない(目視外飛行の承認がない場合)
つぎの「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、モニターの注視です。
目視外飛行の承認をとっていない場合には、操縦者がドローンを目視し続ける必要があります。
目視外飛行の承認をとってないなら、プロポの画面を注視しないようにしてください。
ドローンの直下の対地高度(150m以上の飛行許可がない場合)
7つ目の「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、ドローンの直下の対地高度です。
150m以上の空域を飛ばす許可をとっていない場合は、ドローンからの対地高度が150m以上にならないようにします。
飛行前に最高高度の設定をしているから大丈夫と思うかもしれません。
ドローンの高度は離陸させた場所からの高度です。
そのため離陸場所よりも飛行場所が谷になっているような地形の場合、気づかずに150m以上の空域を飛行させている場合があります。
150m以上の空域を飛ばす許可をとっていない場合は注意が必要です。
フレネルゾーンの確保及びマルチパス対策
最後の「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、フレネルゾーンの確保とマルチパス対策です。
ドローンはプロポから機体に電波を送って操縦しています。
そのためプロポとドローンの間に山や建物など遮るものがあれば電波が届かなくなり、操縦できなくなる可能性があります。
また障害物が多く、電波が何度も反射して時間差で電波が伝達することをマルチパスと言います。
フレネルゾーンを確保できるように障害物を避け、マルチパスが起こらないように障害物が多い場所は避けましょう。
飛行後|ドローンを外で飛ばす時の注意点
最後は「飛行後」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点です。
この2つを確認します。
飛行後点検
1つ目の「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、飛行後点検です。
飛行が終了したら飛行後点検を行い、機体に不具合の箇所がないか確認します。
飛行日誌の記載
つぎの「飛行中」におけるドローンを外で飛ばすときの注意点は、飛行日誌の記載です。
飛行したあとは飛行日誌(飛行記録、日常点検記録、点検整備記録)を記入します。
飛行記録:飛行させた場所や日時
日常点検記録:飛行前点検と飛行後点検での異常の有無
点検整備記録:20時間飛行させるごとに点検整備をした結果
保存方法は紙媒体でも電磁的な方法でも問題ないです。
とはいえ、飛行させるときに持参する必要があるので電磁的な方法をおすすめしてます。
漏れなくチェック!
ドローンを外で飛ばすときの注意点をお話しました。
・飛行前
・飛行直前
・飛行中
・飛行後
この4つのタイミングでは注意が必要です。
本記事でご紹介した注意点を漏れなくチェックして、安心安全のドローン飛行をしてくださいね。