神社のなかには「○○神社」だけではなく「社」「大社」「神宮」「宮」「明神」「権現」と様々な呼び方があります。
これらの社号の違いと神社のランクについて、入見神社の一等無人航空機操縦士の神主がわかりやすくお伝えします。
このような感覚は決して間違いではありません。
神社・社・大社・神宮・ 宮・明神・権現の違い
「神社」「社」「大社」「神宮」「宮」「明神」「権現」の社号の違いをお伝えいたします。
それでは一つずつお話します。
神社
まずは神社です。
「⚪︎⚪︎神社」は一般の神社に対する社号です。
地域の名前が付いていたり、ご祭神の名前が付いていたりします。
有名な神社からご祭神を分霊している神社も多いです。
社
つづいて社です。
「⚪︎⚪︎社」は規模の小さい神社になります。
こちらは文字通り、土地が狭かったり、拝殿や本殿が小さかったりする神社です。
「⚪︎⚪︎社」は「⚪︎⚪︎神社」と同じ社号ですが、「社」は神様をお祀りする場所になります。
初詣の期間はこちらでお話してます。
大社
「⚪︎⚪︎大社」とは文字通り大きな神社です。
敷地面積だけではなく、崇拝する人も多い神社が「⚪︎⚪︎大社」と呼ばれます。
その昔「⚪︎⚪︎大社」は限られた神社にしか許されない呼び方でした。
しかし戦後からは許可が必要なくなり、現在は全国に24の大社があります。
全国には神社が80,000社以上あります。
その中で「⚪︎⚪︎大社」は24社だけですので、貴重性は今も昔も変わりません。
「神社でお願いごとをしていない?」についてはこちらでお話してます。
神宮
つぎに「⚪︎⚪︎神宮」です。
「⚪︎⚪︎神宮」は、天皇の先祖(皇祖)や天皇をお祀りしている神社になります。
「⚪︎⚪︎神宮」の中でも特別なのが伊勢の神宮です。
正式には神宮ですので、伊勢神宮ではなく、神宮や伊勢の神宮が正しい呼び方になります。
ちなみに戦後まで神社が「神宮」と名乗るには天皇の許可が必要でした。
神社に馬がいる理由はこちらでお伝えしています。
宮
つづいて「⚪︎⚪︎宮」です。
「⚪︎⚪︎宮」は主に歴史上の人物をお祀りしています。
「⚪︎⚪︎宮」として有名なのはこの3つでしょうか。
天満宮
東照宮
八幡宮
天満宮は菅原道真、東照宮は徳川家康、八幡宮は八幡神をお祀りしている神社です。
そして「⚪︎⚪︎宮」には、もう1つあります。
天皇や皇族をお祀りしている神社です。
安産祈願で有名な「水天宮」は安徳天皇、鎌倉にある「鎌倉宮」は護良親王をお祀りしています。
お参りの服装はこちらでお話してます。
明神・権現(ごんげん)
最後の「明神」「権現」は、ともに神様の称号です。
神様の称号が「⚪︎⚪︎神社」や「⚪︎⚪︎宮」のような社号と同じような神社になってます。
・稲荷神社(稲荷大明神)
・春日大社(春日権現)
このような別名を持っている神社も多いです。
また、「⚪︎⚪︎明神」「⚪︎⚪︎権現」と呼ばれる神社もあります。
神社に狛犬がいる理由はこちらでお伝えしています。
神社にランクはある?
現在は神社にランクはありません。
伊勢の神宮は別格ではありますが、それ以外の神社でランクはないです。
しかし、第二次世界大戦までは社格制度がありました。
最後の社格制度だった近代社格制度は、天皇に縁のある神社や地方の有力神社などを「官社」、それ以外の地方神社を「諸社」、そして規模が小さい神社を「無格社」と分けています。
伊勢の神宮を除いた1つ1つの神社に明確なランクがあるわけではなく、グループごとの社格があったのです。
そして第二次世界大戦後、社格制度は廃止なり、それに伴い明確なランクも消滅しました。
とはいえ、大きな神社と小さな神社では人事面(神主の人数など)が大きく違います。
そのためすべての神社を同じよう扱うのは難しく、現在は神社庁が大きな神社を別表神社という形式にしました。
別表神社は社格制度ではありません。
ただ比較的大きな神社ですので、旅行に行った場所で参拝をしたい場合の参考にするのをおすすめします。
神社の行きと帰りの一連の参拝方法はこちらでお伝えしています。
社号の歴史
「神社」「社」「大社」「神宮」「宮」「明神」「権現」などの社号の違い、そしてランクについてお話しました。
現在は一概には言えなくなりましたが、ほとんどの場合は社号に意味があります。
参拝されたときには「神社」「社」「大社」「神宮」「宮」「明神」「権現」などの社号を見て、どのような歴史があるのかも楽しみの1つにされてください。
また現在は伊勢の神宮は別格ではあるものの、他の神社のランクはありません。
別表神社には都道府県ごとで比較的大きな神社を確認できますので、旅行に行った際の参考にしてください。