「おもちゃのドローンなら屋外で飛ばしても問題ないでしょ!」
このように思われている方に向けて、一等無人航空機操縦士の入見神社の神主がおもちゃのドローンの規制についてわかりやすくお伝えします。
ドローンとはいえおもちゃなので規制は一つもないと思いがちです。
確かに100g以上のドローンほど厳しい規制はございませんが、おもちゃのドローンとはいえ気をつけなければならない規制はあります。
そこで本記事ではおもちゃのドローンの規制や「公園」「学校のグラウンド」「駐車場」「河川敷」「家の庭」で飛ばす時の注意点をお伝えします。
おもちゃのドローンでも安全が第一です!
おもちゃのドローンの規制
おもちゃのドローンの規制です。
ドローンの規制は様々ありますが、1つの分岐点はドローンの重量です。
現時点の航空法(2023年11月)ではドローンを下記のように分けて考えています。
・100g以上のドローンは「無人」航空機
・100g未満のドローンは「模型」航空機(おもちゃのドローン)
100g以上のドローンは「無人」航空機なので航空法の規制がありますが、100g未満のドローンは「模型」航空機(おもちゃのドローン)なので航空法は適用されません。
しかし、おもちゃのドローン(模型航空機)でも規制はあります。
最も大きな規制は小型無人機等飛行禁止法です。
小型無人機等飛行禁止法ではすべてのドローンの「重要施設及びその周囲おおむね300mの周辺地域の上空」の飛行を禁止しています。
重要施設とは下記の通りです。
・国の重要な施設等(国会議事堂や内閣総理大臣の官邸、皇居など)
・外国公館等
・防衛関係施設(自衛隊施設、在日米軍施設)
・空港
・原子力事業所
その他にも地方自治体によって公園でのドローン飛行を条例で禁止している場合があります。
また、おもちゃのドローンでも空港周辺や高度250m以上の空域を飛行させるなら国土交通省への許可・通報が必要です。
ですのでおもちゃのドローンでも屋外で飛ばす場合には、
・小型無人機等飛行禁止法に該当しない場所
・地方自治体が条例でドローン飛行を禁止していない場所
・空港周辺や高度250m以上の空域以外の場所
上記3つには気をつけましょう!
おもちゃのドローンを屋外で飛ばす時の注意点
つづいておもちゃのドローンを屋外で飛ばす時の注意点です。
この5つの屋外で飛ばす時に気をつけた方がいいことをお伝えします。
公園
まず公園です。
管理者がドローンの飛行を禁止してる場合があります。
・立て看板
・掲示板
これらに公園の禁止事項が表示されていますので確認しましょう。
また、おもちゃのドローンは飛行性が低いので風の影響で流されたり、制御できなくなったりする場合があります。
風下から風上に向けて飛行させれば、より安全に飛ばせるのでおすすめです。
公園でおもちゃのドローンを飛ばしたい時にはご確認ください。
学校のグラウンド
つづいて学校のグラウンドです。
おもちゃのドローンでも学校の管理者に許可を必ず取りましょう!
また、グラウンドのような開けた広い場所では、つむじ風が発生することがあります。
つむじ風は竜巻などよりは小さいですが、前触れもなく発生し、テントなどの大きな物でも飛ばされることもあります。
おもちゃのドローンなら簡単に飛ばされるので、つむじ風には注意してください。
おもちゃのドローンを屋外で飛ばせる場所の見つけ方はこちらで詳しく解説してます。
駐車場
おもちゃのドローンを駐車場で飛ばす時にも注意が必要です。
おもちゃのドローンは機種によって風速2mくらいの弱い風でも飛ばされます。
ドローンが飛ばされ制御不能になれば車にぶつかる危険性があるので、周囲に他人の車がないか、ぶつかる可能性はないのかを確認しましょう。
おもちゃのドローンとはいえプロペラは高速で回転しています。
そのため車のボディにおもちゃのドローンが当たれば傷をつける可能性が高いです。
駐車場でおもちゃのドローンを飛ばす場合にはプロペラを覆い隠してくれる「プロペラガード」のついたタイプにすれば思わぬ事故を防げます。
おもちゃのドローンの免許についてはこちらで解説してます。
河川敷
つぎが河川敷の注意点です。
河川敷は広くて自由に出入りできるので、おもちゃのドローンを飛ばしても問題ないように思えます。
しかし!
河川管理者がドローンの飛行を禁止している場所もあるので注意しましょう。
また散歩やランニングをしてる人もいるので、人が近くに来ていないか常に周りを見張るのも大切です。
そして、堤防側に向けてドローンを飛行させましょう!
というのも、おもちゃのドローンの中には電波が30mくらいしか届かない機種もあります。
風に流されて川の上空まで飛んで30m以上離れてしまったら電波が届かず制御不能になり、川に墜落したり、人や物にぶつかる可能性が高いです。
電波が確実に届くような飛行をするために川に向けてではなく、堤防側に向けて飛ばすのをおすすめします。
100g以上のドローンの免許や資格についてはこちらで解説してます。
家の庭
最後に家の庭です。
自分の家の庭であれば様々なルールに縛られずにおもちゃのドローンを飛ばせます。
しかし、注意点はあります。
・配達員などの来訪者
・家の庭の敷地からおもちゃのドローンが出てしまう
・プライバシーの侵害
・騒音
宅配便などの配達員さんが入ってきたり、家の庭からおもちゃのドローンが出たりすれば、他人や他人の所有物に接触する可能性があるので注意しましょう。
そして、忘れがちなのが隣人トラブルです。
おもちゃのドローンでも一定の騒音はあります。
また、おもちゃのドローンにはカメラが搭載されているタイプも多くあります。
そのため高いところまで飛ばせば近隣の人は「家の中を見られているのではないか…」と不安になりますし、他人の家にカメラを向ければプライバシーの侵害と主張されても致し方ありません。
おもちゃのドローンとはいえ、騒音もあればカメラも付いてます。
自分の庭であっても他の人に迷惑をかけたり、傷をつけたりしないように細心の注意をしましょう!
ドローンを今から始める人におすすめの国家資格の取り方はこちらで解説しています。
念のためが大切!
おもちゃのドローンの規制についてお伝えしました。
①小型無人機等飛行禁止法
②管理団体の規制
③空港周辺や高度250m以上の空域
おもちゃのドローンでも規制はあるので、飛ばしたい場所の事前確認を必ずしましょう!
また、おもちゃのドローンを屋外で飛行させる場合の注意点です。
①他人や他人の物(車など)
②自然現象(つむじ風など)
③おもちゃのドローンの電波が届く範囲
④おもちゃのドローンの騒音
⑤おもちゃのドローンのカメラによるプライバシー侵害
おもちゃのドローンを屋外で飛行させる場合には3つの規制と5つの注意点を確認してください。
「大丈夫だろう」は危険の始まりです。
念のためを大切にして、おもちゃのドローンを楽しく飛行させましょう!