神社の参拝には行き方だけではなく帰り方にも作法があります。
参道の歩き方や鳥居のくぐり方などは、行くときと帰るときでは少し違うんです。
そこで本記事では神社の参拝方法を行きと帰りの一連の流れを入見神社の一等無人航空機操縦士の神主がわかりやすくお伝えします。
参拝する際の服装
神社参拝の服装の目安は「上司の自宅に初めて訪問するとき」「結婚式の二次会」の服装です。
ただし神社の社殿の中など特別な場所で参拝する際の服装は、上記の目安では失礼になる場合があります。
男性と女性、それぞれの服装について具体的にお伝えします。
男性
まず男性の神社参拝の服装です。
・襟付きのシャツ(Yシャツやポロシャツ)
・長ズボン(スラックスやフォーマルなチノパン)
・靴(かかとのない靴はNG)
上記の服装を目安にしましょう。
社殿の中など神社の許可がないと入れない場所で参拝する場合には、スーツに必ずネクタイを着用します。
女性
つぎに女性の神社参拝の服装です。
・ワンピース
・ロングスカート
・長ズボン(スラックスやフォーマルなチノパン)
・靴(かかとのない靴はNG)
上記の服装を目安にします。
女性も同様に社殿の中などの神社の特別な場所でお参りや厄払いなどする際には、スーツやセットアップにします。
より詳しいお参りの服装はこちらでお話してます。
鳥居のくぐり方(行くとき)
つづいて参拝に行くときの鳥居のくぐり方です。
一、鳥居の前で立ち止まる
二、一礼する
三、鳥居をくぐる
今から神社に入るので、社殿のある方向に一礼するのが丁寧な作法になります。
足の入り方
鳥居をくぐる時の足の入り方にもより丁寧な作法があります。
・鳥居の左側:左足から
・鳥居の中央:左足から
・鳥居の右側:右足から
鳥居の真ん中に一本の縦線があると想像してください。
その縦線より左側から鳥居をくぐる場合には左足から、右側から鳥居をくぐる場合には右足から鳥居をくぐるのが丁寧な作法です。
もし、鳥居のほぼ中央なら左足から鳥居をくぐります。
より詳しい神社の鳥居のくぐり方はこちらでお伝えしています。
手水の作法
つづいて手水の作法です。
一、右手で柄杓を持って水を汲み上げる
二、左手に水をかける
三、左手に柄杓を持ち替える
四、右手に水をかける
五、右手に柄杓を持ち替える
六、左の手のひらに水を注いで、その水で口をすずく
七、もう一度左手に水をかける
八、柄杓を立て柄に水を流す
九、柄杓を元の位置に戻す
十、ハンカチで口と手を拭く
この順番が神社参拝の手水の作法です。
右手が主導
柄杓を左手で持つ機会は右手に水をかけるときだけです。
「柄杓は右手から」と覚えておけば間違えにくくなります。
水の配分
柄杓で水を汲み上げるのは一度だけなので、水の配分には気をつけましょう。
左手:三割
右手:三割
口:一割
左手:二割
柄杓の柄:一割
より詳しい手水の作法はこちらで解説してます。
参道の歩き方(行くとき)
つづいて参拝に行くときの参道の歩き方です。
参道は真ん中を避けて歩きます。
ただ、参拝に行くときにより丁寧なのは「社殿から見て右側(社殿に向かって左側)」です。
・最上位:真ん中
・上位:社殿から見て左側(社殿に向かって右側)
・下位:社殿から見て右側(社殿に向かって左側)
上記が神社の参道の上位・下位の考え方になります。
ですので、まだ参拝されてない方は「社殿から見て右側(社殿に向かって左側通行)」、参拝された方は「社殿から見て左側(社殿に向かって右側通行)」のほうが丁寧な歩き方です。
より詳しい参道の歩き方はこちらでお伝えしてます。
拝礼の作法
つづいて拝礼の作法です。
一、お賽銭箱の前で会釈
二、鈴を鳴らす(※鈴がなければ省略)
三、お賽銭を入れる
四、再拝(二礼)
五、二拍手
六、感謝と願い事をお伝えする
七、一拝(一礼)
迷いやすいポイントだけ詳しくお伝えします。
お辞儀
まずお辞儀の角度です。
・お賽銭箱の前での会釈:十五度
・再拝(二礼)と一拝(一礼):九十度
会釈は特に問題はないかと思います。
再拝(二礼)と一拝(一礼)は九十度のお辞儀ですので、背中を丸めないように気をつけてください。
お賽銭の作法はこちらでお話しています。
拍手
こちらが拍手の正しい仕方です。
一、胸の高さに両手を持ってくる
二、両手を綺麗に揃える
三、右手を一関節分くらい下にズラす
四、肩幅くらいに両手を開く
五、拍手する(一拍手目)
六、「四と五」の動作を繰り返す(二拍手目)
七、拍手した両手の状態(右手が下にズレた状態)から揃える※右手を戻して左手と揃える
八、両手をヒザの位置くらいに戻す
拍手の音を上手く鳴らせない方は「三、右手を一関節分くらい下にズラす」を意識されてください。
鈴の作法はこちらで解説しています。
お願いごと
つづいてお願いごとの仕方です。
一、住所と名前など自己紹介をする
二、日頃の感謝を伝える
三、願い事をする
まず神様に自己紹介をして日頃の感謝を伝えてから、お願いごとをします。
より詳しい拝礼の作法はこちらでお話してます。
願い事の言い方はこちらで詳しくお話してます。
参道の歩き方(帰るとき)
つづいて参拝から帰るときの参道の歩き方です。
帰るときも真ん中を避けて歩きます。
帰るときも真ん中を避ければ「左側・右側」のどちらを歩いても問題はありません。
より丁寧なのは「社殿から見て左側(社殿に向かって右側)」を歩くことです。
参拝に行く人が「社殿から見て右側(社殿に向かって左側)」を歩いているので、ぶつからないようにします。
参道の真ん中を横切る場合
「反対側の出店に寄りたい」「トイレに行きたい」など、参道の真ん中を横切りたい場合もあります。
その際には会釈をしながら横切るのが作法です。
一、頭を下げる(十五度)
二、三歩進む
三、頭を上げる
参道の真ん中に差し掛かったら頭を下げましょう。
より詳しい参道の歩き方はこちらでお伝えしてます。
鳥居のくぐり方(帰るとき)
最後に帰るときの神社の鳥居のくぐり方です。
一、鳥居をくぐる
二、神社の方向に身体を向ける
三、一礼する
四、帰る方向に身体を向ける
帰るときの一礼のタイミングは鳥居をくぐってからです。
神社に入るときの一礼は鳥居の前でしたので、帰るときの一礼のタイミングも鳥居の前になリます。
より詳しい神社の鳥居のくぐり方はこちらでお伝えしています。
参拝は丁寧な作法と誠実な気持ちで
神社の参拝方法を行きと帰りまでの一連の流れでお伝えしました。
行ってから帰るまでが参拝です。
出店などに寄ったとしても作法と誠実な気持ちは忘れないようにしたいです。
また、より丁寧な作法については各章の最後に紹介している別の記事でお伝えしています。
より丁寧な作法で参拝されたい方は、ぜひご覧ください。